ご挨拶

「京都博覧会」は、明治維新に際し江戸が東京と改称され“都”として定められたことにより、明治2年に政府が京都から東京へ移され千余年の首都を誇った経済が停滞していた頃、この意気消沈としたムードを一掃すべく京都の経済人や文化人らが集結し開催された日本最初の博覧会です。明治4年西本願寺の大書院で行われ、約1.1万人以上という当時ではかなり多くの入場者が記録されました。好評を博したこともあり京都の経済人を中心に京都博覧会社が立ち上がり、その後昭和3年まで計56回ほぼ毎年催されることになります。
現在では京都の春の風物詩となっている“都をどり”も明治5年に附博覧として祇園の芸舞妓さんによるお茶と歌舞の披露から誕生しました。いち早く博覧会を開いた京都は、伝統の上に新しいものをつくりだす「不易流行」な気風が認められ現在でも“古くて新しいまち京都”と評される所以でもあります。
さて、このコロナ禍において当時と同じく意気消沈としたムードを一掃すべく文化芸術の力で京都を盛り上げたいと集結したメンバーにより先人たちになぞらえ2020年に「令和京都博覧会実行委員会」を結成し、同年秋に青蓮院門跡の宸殿を舞台に「第一回令和京都博覧会」を開催。2021年春には第二回を祇園甲部歌舞練場敷地内に位置し有形文化財でもある「八坂倶楽部」にて延べ6日間12公演行い好評を博したこともあり、この度第三回目となる令和京都博覧会を開催する運びとなりました。京都の文化・芸術の力をご高覧いただきますとともに次の世代へと繋がっていきますよう今後ともより一層のご支援ご協力をお願い致します。
令和京都博覧会実行委員会一同